保育実習、介護実習、教育実習、看護実習――実習に参加するたびにやってくる「日誌」の提出。現場でクタクタに疲れた身体で「今日も書かなきゃ…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
とくに初日は、「何を書けばいいの?」「どう書いたら正解なの?」と、手が止まってしまいがちです。
この記事では、単なる「例文紹介」にとどまらず、実習日誌の目的や評価のポイントを整理しながら、「型」を身につけることで、どんな日でも自分の言葉で書ける方法を解説していきます。
このページでわかること
- 実習日誌の本来の目的と、評価される視点
- どんな実習にも応用できる日誌の基本構成と書き方の型
- 伝わりにくい悪い例と、具体的な改善ポイント
- 保育・介護・教育など分野別に使える例文・フレーズ
- 毎日書く負担を減らすためのメモ術と時短テクニック
実習日誌とは何か|目的と評価されるポイントを知ろう

「実習日誌って、毎日提出しないといけないけど、結局何のために書いてるんだろう…?」そんなふうに感じたことはありませんか?
実習日誌は、単なる提出物ではなく、学びを深め、成長を実感するための大切なツールです。
なぜ実習日誌を書くのか?指導者が見ているところ
実習日誌には、学生の一日を振り返り、学びを整理する役割がありますが、それ以上に指導者にとっては「その学生がどのように現場を捉え、どのように成長しているか」を読み取る大事な材料でもあります。
指導者や学校の先生が日誌で確認している主な視点は、以下のように整理できます。
| 評価視点 | チェックされるポイント |
|---|---|
| 観察力 | 現場で何を見て、どこに注目したかが具体的に書かれているか |
| 主体性 | 自分から関わろうとした姿勢が読み取れるか |
| 振り返り力 | 出来事から気づきや反省を導き出せているか |
| 改善意識 | 「次はこうしよう」と前向きな工夫や目標が書かれているか |
「うまくやったかどうか」ではなく、「どう感じて、どう学びにつなげたか」が評価のポイントになります。完璧な実践よりも、素直で具体的な振り返りが好印象につながります。

「評価のため」だけじゃない、将来につながる実習日誌の役割
実習日誌は、指導者に提出するためだけのものではありません。何より、自分の成長記録として将来的に活用できる“資産”にもなります。
日誌を通じて振り返ることで、自分の得意・苦手が見えてきたり、心が動いた瞬間を思い出せたりします。それは、面接や就職活動で「実習で学んだことを教えてください」と聞かれたときの答えにもなります。
さらに、毎日書くなかで自分の言葉で思考を整理する習慣が身につくため、文章力や伝える力の向上にもつながります。
- 気づきを文字にすることで、「学び」が定着しやすくなる
- 反省や失敗も記録に残すことで、成長の過程が可視化される
- 将来読み返したとき、自分の頑張りが自信になる
「書かされている」ではなく、「未来の自分のために書いている」と考えることで、日誌の意味や価値が大きく変わってきます。
実習日誌の基本構成と書き方の型

実習日誌は、実習の分野によって様式が少しずつ異なることがありますが、評価されやすく、かつ自分の学びを整理しやすい「基本の型」は共通しています。
毎日の記録が負担にならないよう、「考えずに書けるパターン」を身につけることが、日誌を続ける最大のポイントです。
どの分野でも使える実習日誌の基本
実習日誌には様々な様式がありますが、以下の項目はどの分野でもよく使われる共通項目です。最低限この構成を押さえておけば、どんな日でも書けるベースができます。
| 項目 | 内容の概要 |
|---|---|
| 日時・場所・天気 | 実習日・施設名・天候などを記録 |
| 担当業務・観察内容 | 自分がしたこと・見たこと・関わった場面 |
| 気づき・学び | 印象に残ったこと、そこから感じたこと |
| 反省点・課題 | うまくいかなかったことや改善点 |
| 明日の目標・改善策 | 次にどう活かすか、明日の工夫 |
この構成は、保育・看護・介護・教育など、実習分野を問わず活用できる基本型です。最初はこの流れに沿って書くだけでも、指導者に伝わりやすい内容になります。

事実・気づき・反省・今後の目標を書く順番とポイント
実習日誌でよくある失敗に、「感想だけになってしまう」「出来事が抽象的すぎて伝わらない」というものがあります。これを防ぐには、「事実→気づき→反省→次への活かし方」という順番で書くのが効果的です。
- 事実:実際に何があったか(誰が、何を、どこで)を時系列で簡潔に書く
- 気づき:その出来事から自分が感じたこと、印象に残ったこと
- 反省:自分の対応で足りなかった点、課題に感じたこと
- 次の工夫:次に同じような場面でどう動くか、具体的な行動案
この順番で書くと、出来事の羅列ではなく、「学びのある振り返り」に仕上がります。
悪い例と良い例で学ぶ、伝わる文章への書き換え方
同じ出来事を書いても、表現次第で読み手の印象は大きく変わります。よくある「NGな実習日誌」と、それを「伝わる形」に書き直した例を比較してみましょう。
| 悪い例 | 良い例 |
|---|---|
| 今日は子どもと関わることができた。 | 午前中、ブロック遊びをしていた〇〇くんに「一緒にやろう」と声をかけた。 |
| 失敗してしまったので、次は気をつけたい。 | おむつ交換の際、物品の準備が遅れてしまった。次回は事前にセットしてから声かけを行うようにしたい。 |
| 学ぶことが多く、充実した一日だった。 | 午後のレクリエーション準備を手伝い、利用者Aさんの役割意識が高まるよう声かけを工夫した。 |
抽象的な感想や一文だけで終わらせず、「誰に」「どんな関わりをして」「そこから何を学んだか」を具体的に書くことがポイントです。
具体的な実習日報の書き方の例とテンプレート
実習日誌を書く際、「どこから書き始めればいいか分からない」「時間がかかりすぎて眠れない」と悩む人も多いはずです。この章では、実際の一日の流れをもとにした書き方例や、分野別に使える便利なフレーズ、短時間で書き終えるためのコツを紹介します。
一日の流れを時系列でまとめる実習日誌例
実習中の出来事を時系列で整理して書く方法は、初心者でも取り組みやすく、指導者にとっても状況が伝わりやすくなります。以下は、その書き方の具体例です。
| 時間帯 | 出来事 | 自分の行動・気づき |
|---|---|---|
| 9:00〜 | 朝の会で子どもたちがそろう | 〇〇ちゃんが落ち着かない様子だったので、後ろから優しく声をかけた |
| 10:30〜 | 外遊びの時間 | 遊具の順番で言い合いになったため、間に入り話を聞く対応をした |
| 13:00〜 | 昼食の介助 | 食が進まない子に対して、表情を観察しつつ声のトーンを工夫した |
このように、出来事と自分の関わりを並べて書くことで、後から振り返っても「どんな実践ができたか」がひと目で分かる構成になります。

保育・介護・教育など分野別に使えるフレーズ例
実習の分野が違っても、応用しやすい基本フレーズを覚えておくと便利です。以下に、よく使われる言い回しと、それぞれの場面での使い方例を紹介します。
- 「〇〇さんの表情や言葉から△△だと感じた」
↳利用者・子どもとの関わりの中で、自分の観察を伝える際に使える - 「声かけの内容を変えることで反応に違いがあった」
↳関わり方の工夫や変化の気づきを記録する際に使える - 「見守ることの大切さを学んだ」
↳介入せず様子を見ることの難しさ・意義を学んだ日によく合う - 「〇〇のタイミングが難しかったため、次回は〜に注意したい」
↳具体的な反省と改善への意識を表現できる
これらのフレーズを「そのまま」使うのではなく、自分の体験にあてはめて言葉を変えることで、より伝わる実習日誌になります。


