社会福祉士と精神保健福祉士、どちらを先に取るべきかで迷うのは自然です。どちらも国家資格で、勉強も実習も時間がかかります。
だからこそ「なんとなく」で選ぶと、あとから遠回りに感じてしまいやすいのが正直なところです。結論から言うと、合格しやすさではなく「先に使う頻度」で決めるのがいちばん失敗しにくい選び方です。取得後12か月で、転職・業務・評価で使う場面が多い方を先にすると、時間とお金が無駄になりにくいです。
一方で、両方取るつもりの人ほど、最短ルートに寄せすぎて燃え尽きるパターンもあります。仕事と勉強を両立するなら、無理のない配分で積み上げる設計が大切になってきます。
結論|先に取るべき資格はどっち?

順番の決め手は「合格しやすさ」ではなく、取った直後から仕事と転職で効く回数です。勉強量や試験の相性だけで先を選ぶと、取得後しばらく使う場面が少なく、遠回りに感じやすくなります。迷いを減らすには、次の3つを上から順に確認すると整理しやすいです。
- 働きたい領域(精神科中心か、福祉全般か)
- 志望先の採用要件(必須資格の指定があるか)
- 取得後12か月で使う頻度(業務・転職・評価で何回効くか)
両方取る予定でも、先に取った資格で得た現場経験が次の学習の理解を助けます。最短だけを追うより、燃え尽きない配分で積み上げる方が結果的に安定します。
福祉領域を幅広くカバーしたいなら”社会福祉士”を先にする
将来の選択肢を広く確保したい人は、社会福祉士を先にするのが合います。
理由は、医療・高齢・障害・児童・地域など複数の領域で「福祉職としての土台」を説明しやすく、応募できる求人の幅も広がりやすいからです。まだ志望領域が固まり切っていない場合でも、先に社会福祉士を取っておけば、働きながら自分に合う現場を見つけ、その後に専門寄りの資格を足す組み方が取りやすくなります。
結果として、資格を取った直後から使える場面が増え、経験が積み上がることで次の選択もやりやすくなります。

精神科・メンタル領域で働きたいなら精神保健福祉士を先にする
精神科病院や精神科クリニック、デイケア、地域移行・地域定着、訪問支援などを軸にするなら、精神保健福祉士を先にする判断が合いやすいです。どんな人がこちら側になりやすいかを整理すると、次のようになります。
| 判断ポイント | 精神保健福祉士を先にしやすい例 |
|---|---|
| 志望職場 | 精神科医療の現場、メンタル領域の相談支援を中心に考えている |
| 取得後すぐの効き方 | 担当業務が増える、精神科領域の応募で説明が通りやすい |
| キャリアの狙い | 早めに専門領域の経験を積み、強みを作りたい |
| 未経験転職の不安 | 「本気でこの領域に行く」ことを分かりやすく伝えたい |
表の項目に当てはまるほど、先に専門を取って現場経験を積む方が、資格が仕事に直結しやすくなります。そのうえで後から社会福祉士を取ると、専門に幅が乗り、転職の選択肢も増やしやすくなります。

志望先の採用要件に合わせて順番を決める
採用要件に「どちらか必須」が明記されている場合は、必須側を先にするのがいちばん確実です。要件の見落としを減らすには、確認の順番を固定すると迷いが減ります。
- 直近で応募したい求人の要件(必須・歓迎・あれば尚可の違いまで見る)
- 同じ領域の求人を10件ほど見て、資格の書かれ方の傾向をつかむ
- 現職の評価制度・資格手当・配置基準で、どちらが先に効くかを確認する
この手順で見たうえで「必須ではないが歓迎」が多いなら、取得後12か月で効く回数が多い方を先にすると判断がブレにくくなります。
2つの資格の違いの要点

「どちらを先に取るか」を決めるには、違いを全部覚える必要はありません。迷いが長引く人ほど、情報を集めすぎて判断が止まりがちです。
大事なのは、活躍先の中心と、強みの方向性だけを押さえることです。社会福祉士は福祉領域を横断しやすい土台、精神保健福祉士は精神科医療と地域移行に強い専門、という整理で十分です。
社会福祉士の強み:汎用性とキャリアの広さ
社会福祉士は「どの領域でも福祉の相談援助を組み立てられる」ことが強みになりやすい資格です。転職や異動の場面では、働く場所の選択肢が広いことがそのまま武器になります。目安として、社会福祉士が力を発揮しやすい方向性をまとめると、次のようになります。
- 医療・高齢・障害・児童・地域など、領域をまたいで仕事を選びたい
- まだ志望領域が固まり切っておらず、まず現場で適性を見たい
- 将来の管理職や相談支援の中核を目指し、基礎を厚くしたい
- 転職時に応募できる求人の母数を増やしたい
こうしたタイプは、先に社会福祉士を取って経験を積むほど、次に専門寄りの資格を足したときの伸びが大きくなります。幅がある分、最初の一歩でキャリアが止まりにくいのがポイントです。
精神保健福祉士の強み:精神科医療と地域移行の専門性
精神保健福祉士は、精神科医療と地域生活への移行を支える役割に強みがあります。専門の効き方が分かりやすいので、精神科領域で働きたい人ほど「取った直後から使う頻度」が上がりやすいです。違いを短く整理するために、社会福祉士と比べたときの特徴を表にまとめます。
| 見比べる視点 | 精神保健福祉士が強い方向 |
|---|---|
| 中心の現場 | 精神科病院・精神科クリニック・デイケア・地域移行や地域定着の支援 |
| 強みの性質 | 精神症状や治療の流れを踏まえた支援設計、医療連携のしやすさ |
| キャリアの作り方 | 専門領域で経験を積み、領域内で評価を積み上げやすい |
| 先に取る意味 | 志望理由が明確になり、未経験でも専門への意欲を説明しやすい |
この資格は「精神科に関わりたい」という軸があるほど選びやすくなります。
逆に言えば、まだ領域を迷っている段階なら、先に幅のある資格を取ってから専門を足す方が納得しやすいケースも多いです。

失敗しないダブルライセンスの組み方
両方取ると決めた場合、ポイントは「最短」より「燃え尽きない設計」です。二つとも国家資格なので、仕事と両立しながら一気に詰め込むと、学習が続かないリスクが上がります。
先に取った資格が仕事で使えるほど、学習の意味づけが強くなり、次の勉強も伸びやすくなります。ここでは現実的に組みやすい基本形と、例外として入れ替えた方がよいケースを整理します。
おすすめの基本形:社会福祉士→精神保健福祉士(幅→専門)
いちばん組みやすいのは、幅のある社会福祉士で土台を作り、その上に精神保健福祉士の専門を乗せる形です。
理由は、先に幅を確保しておくと、働きながら精神科領域に寄せる動きが取りやすく、転職の選択肢も減りにくいからです。学習面でも、共通する基礎を一度固めてから専門を積み増せるので、理解が途切れにくくなります。
計画のイメージを持つために、1〜2年で無理なく進める例を表にまとめます。
| 期間の目安 | やること | 狙い |
|---|---|---|
| 0〜1か月 | 受験要件と養成ルートの確認、実習の有無と時期の把握 | 後から詰まる原因を先に潰す |
| 2〜8か月 | 社会福祉士の学習を基礎中心に積み上げ、過去問を軸に回す | 土台を作って次の勉強を楽にする |
| 9〜12か月 | 社会福祉士の受験・合格後、業務で使う場面を増やす | 「使える感覚」を作り、次のモチベーションに変える |
| 2年目 | 精神保健福祉士の専門領域を上乗せし、精神科寄りの経験を積む | 専門性で評価と選択肢を増やす |
この組み方で大事なのは、合格したら終わりにしないことです。先に取った資格を仕事で使う回数を意識して増やすと、次の資格の勉強が「知識の暗記」になりにくく、実務に結びつきやすくなります。
例外パターン:先に就職要件の資格を取ってからもう一方
例外として、志望先や現職の要件で「この資格がないと土俵に上がれない」場合は、要件側を先に取るのが合理的です。
- 応募したい求人に必須資格が明記されており、もう一方では応募が通りにくい
- 現職で配置や担当業務が資格にひもづいていて、先に必要な方を取ると仕事が動く
- 精神科領域への転職が最優先で、精神保健福祉士がないと志望先が絞られすぎる
- 家計や時間の都合で「今年中に転職を決めたい」など期限がはっきりしている
要件側を先に取る場合でも、やり方を間違えるとしんどくなります。次の資格まで詰め込みすぎず、合格後にいったん仕事で使う期間を挟むと、学習が途切れにくいです。結果として、短期で二つを追いかけるよりも、継続しやすくなりやすいです。
まとめ|自分の志望領域と要件で順番は決まる
社会福祉士と精神保健福祉士の順番は、どちらが先に合格できそうかではなく、取った直後から自分の仕事と転職で効く回数で決めると失敗しにくいです。
福祉領域を横断して働ける土台を先に作りたいなら社会福祉士が合いやすく、精神科やメンタル領域で早く専門性を形にしたいなら精神保健福祉士が合いやすくなります。さらに、志望先の採用要件に必須資格が書かれている場合は、その要件を優先した順番がもっとも現実的です。
両方取る場合も、最短を追いすぎると学習が続かず、途中で止まりやすくなります。
先に取った資格を仕事で使う期間を入れて、現場経験と学習を噛み合わせる方が、結果として積み上がりやすいです。実習や休暇調整が必要なルートなら、学習を始める前に職場へ相談しておくと、直前のバタつきが減るでしょう。


