デイサービスで働きたいと考えている方にとって、「具体的にどんな仕事をするのか?」という疑問はとても大きいものです。
特に未経験者や異業種からの転職を検討している方は、自分に務まるのか、必要な資格は何か、またどのようなスキルが求められるのかといった不安を感じやすいでしょう。
この記事では、デイサービスにおける主要な職種ごとの役割や仕事内容をわかりやすく解説し、1日の流れについても具体的に紹介します。
このページでわかること
- デイサービスの基本的な目的と利用者の特徴
- 職種別の具体的な仕事内容と必要なスキル
- デイサービスにおける1日のスケジュールと業務内容
- 未経験者が働く際の注意点とアドバイス
- キャリアアップや働きやすい職場の探し方
デイサービスってどんな施設?

デイサービスは、要介護や要支援の高齢者が自宅から日帰りで通い、必要な介護や機能訓練、レクリエーションを受けられる施設です。
主に在宅で暮らす高齢者とその家族を支援する役割があり、家庭の介護負担を減らしつつ、利用者本人の自立を促します。医療機関とは異なり、生活に密着した支援と楽しみの提供が特徴です。
デイサービスの目的と役割
デイサービスの主な目的は、利用者ができる限り自立した生活を維持し、家族の介護負担を軽減することです。そのための役割を以下の表にまとめました。
目的 | 役割 |
---|---|
心身機能の維持と改善 | 運動やリハビリを通じて身体能力を維持・改善する |
社会的孤立の防止 | 他の利用者やスタッフとの交流の場を提供する |
家族の介護負担の軽減 | 日中の介護を代行し、家族に休息時間を確保する |
このように、デイサービスは身体的なケアだけでなく、心理面や家族支援も重視しています。
利用者の特徴とニーズ
デイサービスを利用するのは、要支援1から要介護5までの高齢者が中心です。利用者ごとに異なるニーズがあり、それに応じた柔軟な対応が求められます。
特徴 | ニーズ |
---|---|
身体機能が低下している方 | 歩行や食事、入浴などの支援 |
認知症の症状がある方 | 記憶障害や行動障害への対応、見守り |
社会的つながりを求める方 | レクリエーションや交流の機会 |
また、身体的な介助だけでなく、心のケアや社会参加の機会を提供することも重要です。利用者一人ひとりの状態や希望を理解し、それに合わせたサービスを行うことが質の高いデイサービス運営に直結します。

デイサービスの1日の流れ【具体例】
私が勤務する東京都内のデイサービスでの一日を紹介します。
時間 | 活動内容 | 詳細 |
---|---|---|
8:00~9:00 | 朝の準備と利用者の送迎 | スタッフは利用者を迎える準備を整え、送迎スタッフが利用者の自宅へ向かいます。到着後は、体調確認や必要なサポートをしながら施設へ移動します。 |
9:00~10:00 | 健康チェック・バイタル測定 | 施設に到着した利用者は、まず看護師や介護士による健康チェックを受けます。血圧・脈拍・体温測定などを行い、体調に変化がないか確認します。 |
10:00~12:00 | 午前の活動(入浴・レクリエーション・機能訓練) | 利用者の状態に応じて、入浴介助やリハビリ、レクリエーション活動を行います。入浴はスタッフのサポートのもと、個別または小グループで進められます。また、軽い体操やゲームなどのレクリエーションを通じて、体を動かしたり交流を深めたりする時間を設けます。 |
12:00~13:00 | 昼食・食事介助 | 利用者には施設で提供される食事が用意されます。自力で食事が難しい方には、介護士が食事介助を行います。栄養バランスの取れた食事を提供し、利用者の健康維持をサポートします。 |
13:00~14:00 | 休憩・自由時間 | 昼食後は、リクライニングチェアや畳スペースでくつろいだり、他の利用者と談話を楽しんだりする時間です。短時間の仮眠を取る利用者もいます。 |
14:00~15:30 | 午後の活動(リハビリ・レクリエーション) | 午後は、午前に続きリハビリやレクリエーションが行われます。機能訓練指導員が担当するリハビリでは、歩行訓練やストレッチなどが実施されます。レクリエーションでは、カラオケ、手芸、脳トレゲームなど、利用者が楽しめるプログラムが提供されます。 |
15:30~16:00 | おやつの時間 | 利用者はお茶やお菓子を楽しみながらリラックスし、談笑をする時間を過ごします。この時間も、利用者同士の交流を深める大切な時間です。 |
16:00~17:00 | 帰りの準備と送迎 | 利用者が帰宅の準備を整え、送迎スタッフが順番に自宅まで送り届けます。送迎時には、利用者の体調や施設での様子を家族に伝えることも重要な業務の一つです。 |
17:00~17:30 | 終業業務(片付け・記録作成) | 利用者が帰った後、スタッフは施設内の清掃や片付けを行います。また、その日の利用者の様子を記録し、翌日の業務に備えます。 |
【職種別】デイサービスの仕事内容
デイサービスでは複数の専門職が協力し、利用者に必要なケアと支援を行っています。
それぞれの職種には明確な役割があり、チームワークによって利用者の生活の質を保つことができます。ここでは、代表的な職種とその具体的な仕事内容を解説します。
介護職員の主な仕事内容
介護職員はデイサービスにおける中心的な存在で、利用者の日常生活のサポートを担当します。主な業務は以下の通りです。
業務内容 | 具体的な作業 |
---|---|
身体介助 | 食事、入浴、排泄、歩行などの支援 |
レクリエーションの実施 | 体操、ゲーム、創作活動などの企画と進行 |
送迎補助 | 乗降時のサポートと安全確認 |
利用者との日々の関わりを通じて、信頼関係を築くことも大切な役割です。
看護師の役割と仕事内容
看護師は利用者の健康管理を担当し、医療的なサポートを提供します。主な仕事内容には以下があります。
- バイタルサイン(血圧・脈拍など)の測定と記録
↳利用者の健康状態を常に把握する - 医療的処置
↳服薬管理、傷の処置、緊急時の応急対応 - 健康相談
↳利用者や家族への健康に関するアドバイス
看護師は介護職員や生活相談員と連携しながら、健康面から利用者を支えます。
生活相談員の業務内容
生活相談員は、利用者や家族との窓口として、サービスの調整や相談対応を行います。
主な役割 | 詳細 |
---|---|
利用者との面談 | ニーズの把握とケアプランの作成補助 |
家族との連絡調整 | 家庭での状況や希望の確認 |
関係機関との連携 | ケアマネジャーや医療機関との情報共有 |
利用者が安心してサービスを利用できるよう、相談業務だけでなく運営全体を支える役割も担います。
機能訓練指導員の仕事
機能訓練指導員は、利用者の身体機能を維持・向上させるための訓練を計画・実施します。理学療法士や作業療法士、柔道整復師などの資格を持つことが一般的です。
- 機能評価と訓練プログラムの作成
↳個々の身体状況に応じた運動や動作訓練を設計 - 訓練の実施と指導
↳安全に配慮しながら利用者と共に運動を行う - 他スタッフとの連携
↳介護職員や看護師と情報を共有し訓練効果を最大化
身体機能の低下を防ぎ、利用者ができる限り自立した生活を送れるよう支援します。
送迎ドライバーの役割
送迎ドライバーは、利用者の自宅とデイサービス間の送迎を担当します。単に運転するだけではなく、利用者の安全と快適さを確保する重要な役割を持ちます。
業務内容 | 詳細 |
---|---|
送迎ルートの確認と運転 | 安全運転と効率的なルート選定 |
乗降時の介助 | 車両への乗り降りのサポート |
利用者の体調確認 | 体調不良時の対応とスタッフへの報告 |
運転技術だけでなく、高齢者への配慮や緊急時の判断力も求められます。
未経験者でもデイサービスで働ける?必要な資格とスキル
デイサービスの仕事に興味があっても、「資格がない」「未経験だから不安」と感じている人は少なくありません。実際には、未経験者でも始められる職種が多く、働きながら資格を取得することも可能です。
資格の有無と求められるスキル
デイサービスの職種ごとに必要な資格やスキルは異なります。以下の表で主な職種ごとの条件を整理します。
職種 | 必須資格 | スキル |
---|---|---|
介護職員 | 無資格でも応募可能(※施設による) | コミュニケーション能力、体力 |
看護師 | 正看護師または准看護師 | 健康管理と応急処置の知識 |
生活相談員 | 社会福祉士、介護福祉士など(地域により要件異なる) | 相談対応力、調整力 |
機能訓練指導員 | 理学療法士、作業療法士、柔道整復師など | リハビリ計画作成と実施スキル |
送迎ドライバー | 普通自動車運転免許(AT限定可) | 安全運転技術、利用者への配慮 |
特に介護職員は、資格がなくてもスタートできるケースが多く、未経験者にとって入りやすい職種です。働きながら「介護職員初任者研修」や「実務者研修」を取得すれば、キャリアアップも目指せます。

未経験者へのアドバイスと注意点
未経験からデイサービスで働く場合、次のポイントに注意するとスムーズに業務に慣れることができます。
- 研修制度の有無を確認
↳初心者向けの研修や先輩職員による指導体制が整っている施設を選ぶ - 無理のないペースでステップアップ
↳まずは介護補助や送迎補助など負担の少ない業務から始める - 利用者との信頼関係を築く姿勢
↳技術よりも「思いやり」が評価される場面が多い
また、利用者との接し方や仕事の流れに慣れるまでは緊張するかもしれませんが、焦らず一つひとつの経験を積み重ねることが大切です。先輩職員や他のスタッフに積極的に質問し、学びながら成長していきましょう。

まとめ|デイサービスの仕事内容と自分に合う働き方を見つけよう
この記事では、デイサービスにおける主要な職種ごとの役割と具体的な仕事内容、1日の流れ、さらに未経験者が働く際に必要な資格やスキル、注意点について詳しく解説してきました。
介護職員をはじめ、看護師、生活相談員、機能訓練指導員、送迎ドライバーなど、どの職種も利用者の生活を支える重要な役割を果たしています。また、未経験からでも始めやすい職種が多く、研修制度や先輩職員のサポートを活用することで、安心して仕事をスタートできます。
自分に合った職種を選び、必要なスキルを身につけることで、やりがいのあるキャリアを築くことが可能です。デイサービスの現場では、利用者とのふれあいを通じて小さな成功体験を積み重ねながら成長できる環境があります。まずは興味のある職種についてさらに理解を深め、自分の働き方に合った職場を探してみましょう。