社会福祉士の受験資格がなくなる?制度変更や取得ルートを解説!

社会福祉士 受験資格

社会福祉士を目指している中で、「受験資格がなくなる」「制度が大きく変わる」という話を耳にした方も多いのではないでしょうか。

実際、2021年度から新カリキュラムへの移行が始まり、実習時間・科目構成・試験内容が大きく変わっています。特に2024年(第37回)試験から新カリキュラムに基づく出題が始まったため、「自分は大丈夫なのか」と不安を感じる方も増えています。

この記事では、厚生労働省や社会福祉振興・試験センターの公式情報をもとに、変更の背景・廃止・新要件・最新の受験資格ルートを分かりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 「受験資格がなくなる」という噂の真相
  • 新カリキュラム導入の背景と廃止・変更になったこと
  • 2025年以降の新しい受験資格ルートと要件
  • 新旧カリキュラムの主な変更点比較
  • 影響を受ける人・受けない人の具体例
  • 不安を解消するための対策とキャリアの考え方
目次

社会福祉士の「受験資格がなくなる」は本当か?

結論:受験資格そのものは廃止されていません

社会福祉士国家試験の受験資格(福祉系大学卒業・実務経験ルートなど)は、2026年4月現在も維持されています。ただし、受験に必要な養成カリキュラムの内容・実習時間・試験科目が大きく変わっており、新カリキュラム対応の準備が必要です。

「受験資格がなくなる」という噂が広まった背景には、2021年度から始まった新カリキュラムへの移行が誤って伝わったことが主な原因です。以下のような情報の混乱が起きていました。

  • カリキュラム改正が「資格廃止」と誤解された
  • 一部の養成施設が「今年度入学生は新制度の対象外」と案内し混乱を招いた
  • SNS・掲示板で出典不明の情報が拡散された
  • 旧カリキュラムの科目名消滅(「相談援助」→「ソーシャルワーク」)が「廃止」と誤読された

重要:旧カリキュラムで受験資格を得ている方へ
社会福祉振興・試験センターの公式案内によると、過去に受験資格を取得した方は、カリキュラム改正に関わらず引き続き受験できます。改めて新カリキュラムの実習を受け直す必要はありません。

新カリキュラム導入の背景|なぜ変わったのか

2021年度から始まった新カリキュラムの改正は、厚生労働省が2019年(令和元年)に「社会福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて」を発表したことに端を発します。

背景には以下の社会的変化がありました。

少子高齢化と地域課題の複雑化

単身高齢者・ダブルケア・8050問題など、従来の個別相談援助だけでは対応しきれない複合的な課題が急増。

「地域共生社会」の政策推進

厚生労働省が掲げる「地域共生社会の実現」に向け、社会福祉士が地域全体をコーディネートする役割が期待されるようになった。

実践力不足の指摘(2018年報告書)

社会保障審議会福祉部会の報告書で「多機関協働・社会資源の開発・包括的支援体制に対応できる実践力の向上」が強く求められた。

2021年度入学者から新カリキュラム施行

福祉系大学・短大の2021年度入学者より順次適用。2024年(第37回)試験より新カリキュラムに基づく出題が開始。

社会福祉士受験資格の廃止・変更点|新旧カリキュラム比較

①科目名の変更(「相談援助」→「ソーシャルワーク」)

旧カリキュラムで使われていた「相談援助」という用語が全面的に「ソーシャルワーク」に置き換えられました。これは廃止ではなく、個別支援中心の発想からコミュニティ全体への包括的アプローチへという理念の転換を反映したものです。

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項目旧カリキュラム
(〜2020年度入学)
新カリキュラム
(2021年度入学〜)
演習科目相談援助演習(1科目)ソーシャルワーク演習+
ソーシャルワーク演習(専門)の2科目:変更
実習科目名相談援助実習ソーシャルワーク実習:変更
実習時間180時間以上240時間以上:拡充
実習施設数1か所以上2か所以上(機能の異なる施設:拡充
新設科目なし「地域福祉と包括的支援体制」(60時間):NEW
総履修時間1,200時間1,200時間(同じ)
試験問題数150問129問(第37回〜:変更
合格基準点の目安90点前後78点前後(第37回)
実習免除制度なし(原則)介護福祉士・精神保健福祉士は
60時間上限に免除:NEW

②新設科目「地域福祉と包括的支援体制」の追加

最も大きな追加変更が、「地域福祉と包括的支援体制」(60時間)の新設です。

これまで個別の相談援助が中心だった社会福祉士に、地域全体を見渡した包括的支援の視点が正式に求められるようになりました。

③実習の抜本的な見直し

実習時間が180時間から240時間へ増加した上、実習先も「1か所以上」から「機能の異なる2か所以上」に変わりました。

この変更の目的は、多様な地域福祉ニーズへの対応力・多職種連携・社会資源の開発といった実践力を身につけることにあります。

実習免除制度(新設)

介護福祉士または精神保健福祉士の資格を持つ方(履修中も含む)は、社会福祉士の養成課程における実習が60時間を上限に免除されます。また精神保健福祉士の資格者は「ソーシャルワーク演習(30時間)」の履修も免除されます。

最新の社会福祉士受験資格ルート

受験資格ルートは大きく4系統・12ルートがあります。自分の経歴に合ったルートを確認しましょう。

ルート➀:福祉系4年制大学卒業

指定科目(新カリキュラム)を修めて卒業した時点で受験資格を取得。基礎科目のみ履修の場合は短期養成施設(6か月)が必要。

ルート②:福祉系短大卒業+実務

3年制短大→実務1年以上、2年制短大→実務2年以上。基礎科目のみの場合は同期間の実務+短期養成施設(6か月)が必要。

ルート③一般大学・短大卒業+一般養成施設

福祉系以外の4年制大学卒業後、一般養成施設(1年以上)を修了することで受験資格を得られる。通信制も利用可能。

ルート④:実務+短期養成施設

児童福祉司・身体障害者福祉司・査察指導員・知的障害者福祉司・老人福祉指導主事などの実務を4年以上経験後、短期養成施設(6か月以上)を修了。

注意:実務経験ルートの「相談援助業務」の範囲確認を

実務経験として認められる業務の対象範囲が明確化されています。業務内容によっては要件を満たさない場合があるため、社会福祉振興・試験センターの公式サイトで対象施設・業務の一覧を必ず確認してください。

第37・38回試験の最新データ

新カリキュラムに基づく試験が始まった第37回(2025年2月)以降のデータを確認しておきましょう。

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回次試験日受験者数合格者数合格率備考
第37回2025年2月2日27,616人15,561人56.3%新カリキュラム初年度
第38回2026年2月1日25,430人15,438人60.7%2026年3月3日合格発表

旧カリキュラム時代(第33〜34回)の合格率は29〜31%程度でしたが、新カリキュラム移行後の第37・38回では50〜60%台まで大幅に上昇しています。問題数が150問から129問に減少し、合格基準点も下がったことが主な要因とみられます。

社会福祉士の受験資格改定の影響を受ける人・受けない人

仕事が大変

すでに受験資格を持っている方

影響なし:引き続き受験できます

過去のカリキュラムで受験資格を取得済みの方は、改めて新カリキュラムの実習などを受け直す必要はありません。

試験内容(出題科目・問題数)は新カリキュラムに対応していますが、受験資格は有効です。

2020年度以前に入学した方(在学中・修了済み)

旧カリキュラムで学んでいた方は、旧カリキュラムの要件で受験資格を取得できます。

ただし試験の出題は新カリキュラムに沿った内容となっているため、新カリキュラムの科目・出題範囲に沿った試験対策が必要です。

2021年度以降に入学した方・これから目指す方

要注意:新カリキュラムの要件を満たす必要があります

実習は240時間以上・2か所以上の施設での実施が必要です。1か所・180時間の旧要件は適用されません。また新設科目「地域福祉と包括的支援体制」など、新カリキュラムの履修科目を全て修める必要があります。

実務経験ルートで目指している社会人の方

実務経験ルート(短期養成施設・一般養成施設経由)は引き続き利用可能です。

ただし、養成施設のカリキュラムも新基準に移行しているため、入学・在籍する施設が新カリキュラムに対応しているかを確認してください。

社会福祉士の代替ルートと通信制課程の活用

マークシート

要件に直接該当しない場合でも、以下の方法で受験資格の取得を目指せます。

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ルート対象者期間通信制の可否
一般養成施設一般大学・短大卒業者(福祉系以外を含む)1年以上○(通信制あり)
短期養成施設実務経験者・福祉系短大卒業者(基礎科目のみ)6か月以上○(通信制あり)
福祉系大学(4年)これから大学で学ぶ方4年一部大学で通信制あり

通信制の養成施設はスクーリングや実習も含まれますが、働きながら学べる柔軟な日程が組まれているケースも多く、社会人にも活用しやすいです。

ただし実習は新カリキュラム基準(240時間・2施設以上)が適用されるため、実習先の調整や日程確保に余裕を持って取り組むことが重要です。

他の福祉系資格との比較・組み合わせ

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資格名主な業務取得方法社会福祉士との関係
精神保健福祉士精神障害者の社会復帰支援指定科目履修+国家試験共通科目が多く、W取得しやすい。社会福祉士取得後は一部免除あり。
介護福祉士高齢者・障害者の身体介護実務経験+国家試験など取得済みなら社会福祉士の実習が60時間免除(新制度)。
ケアマネジャー介護保険のケアプラン作成実務経験5年以上+試験社会福祉士取得後の有力なキャリアアップ資格。

まとめ|制度の変化に惑わされず、自分に合ったルートを選ぼう

この記事では、社会福祉士の受験資格に関する制度変更の噂や事実、影響を受ける可能性のある人の条件、対応策について詳しく解説してきました。

現時点では「受験資格がなくなる」という極端な変更は予定されていませんが、今後の改正や見直しに備えた行動は欠かせません。

学歴や職歴によって影響の度合いは異なり、該当する方は養成施設の活用や通信課程の受講といった代替手段を検討することが現実的な対応となります。また、経過措置の存在により、現在進行形で学習を進めている方が急に不利益を被る心配は少ないといえます。

この記事を書いた人

所有資格:介護福祉士
小さい頃から祖父母と生活を共にしていたことから困っている方の役に立つ仕事がしたいとの思いがあり入社。ご本人様、ご家族様が安心してご自宅での生活が送れるよう日々業務に取り組んでいます。

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