グループホームとは？仕事内容や一日の流れ(早番/遅番)をそれぞれ解説！

グループホームでの仕事に興味を持っている方は多いものの、「具体的にどんな仕事内容なのか」「どのようなスキルが求められるのか」といった疑問を抱えている方も少なくありません。

そこで本記事では、グループホームの主な業務内容から、必要とされるスキルや大変な点を解説します。

グループホームとは

グループホームでは、認知症や身体的な制約を持つ利用者が家庭的な環境で共同生活を送れるよう支援します。スタッフの主な役割は、利用者ができる限り自立した生活を維持できるようサポートすることです。

具体的な業務内容は多岐にわたり、利用者一人ひとりの状態に応じて柔軟な対応が求められます。

日常生活の支援業務

日常生活の支援は、グループホームの中心的な業務です。利用者が安全かつ快適に生活できるよう、さまざまな介助を行います。

• 食事介助
  ↳食事の準備・配膳・介助
• 排泄介助
  ↳トイレ誘導やオムツ交換
• 入浴介助
  ↳安全を確保しながら入浴支援
• 衣服の着脱補助
  ↳季節や体調に合わせた衣類選びと着替え
• 家事支援
  ↳掃除、洗濯、買い物同行など

支援の度合いは利用者の自立度により異なり、できることは尊重しつつ必要な援助を行います。

健康管理と服薬サポート

健康管理は、日々の小さな変化に気づくことが重要です。

業務	内容
バイタルチェック	血圧・脈拍・体温の測定
服薬サポート	薬の準備・服薬確認
医療機関との連携	医師や看護師への報告・相談

異変にいち早く気づき、医療スタッフと連携して対応することが求められます。

レクリエーションの企画・実施

利用者の生活の質を高め、心身の活性化を促すためにレクリエーションを行います。

• 季節行事
  ↳お花見、夏祭り、クリスマス会など
• 趣味活動
  ↳手芸、園芸、書道など
• 運動プログラム
  ↳軽い体操やリハビリ的な活動

利用者の興味や体調に合わせて無理のない範囲で企画します。

グループホームで求められるスキルと資格

グループホームで働くには、介護技術だけでなくコミュニケーション能力や柔軟な対応力も重要です。ここでは、必要な資格やスキルについて具体的に見ていきましょう。

必須資格と推奨資格

介護職に就くために必須とされる資格と、取得しておくと仕事の幅が広がる推奨資格があります。

資格	内容
介護職員初任者研修	介護の基本知識と技術を習得する入門資格
介護福祉士実務者研修	より専門的な介護スキルを学べる中級資格
介護福祉士	国家資格。現場リーダーや教育担当にもなれる
認知症介護実践者研修	認知症ケアの専門知識を深めるための資格

資格は段階的に取得することで、業務の幅を広げキャリアアップにもつながります。

コミュニケーション能力と対応力

グループホームでは、多様な状況に対応できる柔軟さと、利用者やその家族、同僚との良好な関係構築が欠かせません。

• 聞き取る力
  ↳利用者の言葉や表情から本音や不調を読み取る
• 説明する力
  ↳分かりやすく丁寧に説明し、不安を和らげる
• 問題解決力
  ↳予想外の事態に冷静に対応する
• チームワーク
  ↳スタッフ間で情報を共有し、連携を強化する

特に認知症の利用者と接する際は、相手の気持ちに寄り添う姿勢が大切です。

未経験者に求められる資質

未経験者でもグループホームで活躍できますが、次のような資質が求められます。

• 思いやり
  ↳利用者の気持ちに寄り添い、安心感を与える
• 柔軟性
  ↳状況に応じて臨機応変に対応する
• 学ぶ意欲
  ↳新しい知識やスキルを積極的に吸収する
• 体力
  ↳身体介助などで一定の体力が必要

また、多くの施設では未経験者向けの研修やサポート体制が整っており、安心して働き始められます。

グループホーム社員の一日の流れ

グループホームの仕事はシフト制で、早番・日勤・遅番・夜勤に分かれています。時間帯ごとに業務内容が異なり、入居者の生活を支えるためにスタッフ同士が連携を取りながら働きます。

早番（6:00～15:00）

早番のスタッフは、朝食の準備や入居者の起床介助を担当します。

時間	業務内容
6:00～	起床介助（声かけ・トイレ誘導・着替えのサポート）
7:00～	朝食の配膳・食事介助・服薬確認
9:00～	体操・レクリエーション・掃除・洗濯
10:00～	入浴介助（入浴日による）
12:00～	昼食の準備・食事介助
14:00～	業務の引き継ぎ・記録作成

日勤（9:00～18:00）

日中の活動を中心に、入居者が快適に過ごせるようサポートします。

時間	業務内容
9:00～	健康チェック・レクリエーションの準備
10:00～	入浴介助や体操の実施
12:00～	昼食の配膳・食事介助・服薬確認
14:00～	レクリエーションや外出支援（買い物や散歩）
16:00～	夕食準備・業務の引き継ぎ

遅番（12:00～21:00）

入居者の夕食介助や夜の準備を担当します。

時間	業務内容
12:00～	昼食後の見守り・掃除
15:00～	おやつの準備・レクリエーション補助
17:00～	夕食の準備・配膳・食事介助
19:00～	就寝準備（トイレ誘導・着替えのサポート）
20:00～	服薬確認・業務の引き継ぎ

夜勤（21:00～翌7:00）

夜勤は1人体制または2人体制で行い、夜間の見守りが中心です。

時間	業務内容
21:00～	消灯・巡回（定期的に入居者の安否確認）
0:00～	トイレ誘導・体位変換（寝たきりの方の姿勢を変える）
3:00～	巡回・記録作成
6:00～	起床介助・朝食準備・業務の引き継ぎ

グループホーム職員のキャリアパス

グループホームで働くことは、単なる「仕事」ではなく、専門性を深めながら将来のキャリアを築ける道でもあります。

ステップアップの道

グループホームでの経験を積むことで、さまざまなキャリアパスが開かれます。

• 現場リーダー・ユニットリーダー
  ↳スタッフの指導や現場の管理を担当
• サービス提供責任者
  ↳利用者へのサービス計画作成やスタッフ調整を行う
• 施設管理者・施設長
  ↳施設運営の責任者として経営や人材管理に携わる
• ケアマネジャー（介護支援専門員）
  ↳利用者や家族と相談し、適切なケアプランを作成
• 研修講師・教育担当
  ↳新人スタッフや介護職志望者への指導を行う

資格取得と現場経験を積み重ねることで、これらの役職や専門職へと進むことが可能です。

他の介護職との比較

グループホームと他の介護施設や職種には、仕事内容や働き方にいくつかの違いがあります。

職種	特徴
グループホーム	家庭的な雰囲気で少人数の利用者を支援。認知症ケアに特化
特別養護老人ホーム	重度介護が中心。医療的ケアの頻度が高い
デイサービス	日中のみ利用者を受け入れ、介助とレクリエーションを提供
訪問介護	利用者の自宅を訪問し、生活支援や身体介護を行う

グループホームは、家庭的な環境と少人数制のため、一人ひとりと深く関わりながら介護を行える点が特徴です。他の施設に比べて、利用者の個性や生活の質を重視した支援が求められます。

まとめ｜グループホームの仕事内容を理解し、自分に合った職場選びを

グループホームの仕事は、利用者の生活を支えながら、自立を促す重要な役割を担っています。日常生活の支援、健康管理、レクリエーションの企画など多様な業務を通じて、利用者一人ひとりの生活の質を高めることが求められます。

そのため、専門的な資格やスキルだけでなく、思いやりや柔軟な対応力も欠かせません。

仕事のやりがいとしては、利用者の笑顔や成長を間近で感じられることが挙げられます。一方で、身体的・精神的な負担もあるため、自分の適性やサポート体制をしっかり確認することが大切です。未経験からでも挑戦できる環境が整っており、キャリアパスやスキルアップの道も開けています。