「お母さんが退院することになって、ベッドと車いすをレンタルしようと思うんだけど…」
そんな相談に日々応えているのが福祉用具専門相談員。高齢者や障がいのある方の生活を支える重要な仕事ですが、現場では「想像以上にきつい」という声も耳にします。
そこで本記事では、実際に働く人たちの声をもとに、福祉用具専門相談員の仕事の実態に迫ります。
福祉用具専門相談員とは?

福祉用具専門相談員は、高齢者や障がいのある方が自宅で快適に暮らせるよう、最適な福祉用具を提案する専門家です。
「この方の体格と住環境だと、この車いすが使いやすいですね」
「手すりはこの位置につけると安全に移動できますよ」
上記のように、一人ひとりの状況を見極めた上で適切なアドバイスをします。単に物を届けるだけではなく、その方の生活全体を見据えた提案が求められる仕事です。

1日のスケジュール
ある福祉用具専門相談員の1日のスケジュールを紹介します。
時間 | 内容 | 詳細 |
---|---|---|
8:30 | 事務所到着 | 積み込む用具を確認し、トラックに車いすと手すりを積み込む |
9:15 | 訪問(1件目) | ベッドの使い心地確認、リモコンの使い方を説明 |
11:00 | 訪問(2件目・新規) | ケアマネージャーと合流し、Aさんの住環境に最適な用具を提案 |
12:30 | 昼食 | 車内でコンビニ弁当を食べる |
13:15 | 訪問(3件目) | 車いすの交換、新しいタイプを試してもらう |
15:00 | 訪問(4件目) | 定期点検 |
16:30 | 訪問(5件目) | ベッドのトラブル対応、部品交換 |
18:00 | 事務所戻り | 訪問記録入力と翌日の準備 |
19:30 | 退社 | 腰の痛みがひどく湿布を貼る |
なぜ福祉用具専門相談員は「きつい」と言われるのか?
福祉用具専門相談員の仕事がきついとされる3つの理由を紹介します。

身体的な負担が予想以上
「福祉用具専門相談員になったばかりの頃は、こんなに体力仕事だとは思わなかった」という声も多いです。
介護ベッドは分解しても重く、階段での搬入は2人がかりでも大変です。車いすも種類によっては20kg近くあり、一日に何台も運ぶと腰や肩に負担がかかります。雨の日は滑らないよう特に神経を使いますし、真夏や真冬は気温差による体調管理も大変です。
友人には『デスクワークじゃないの?』と言われますが、実際は荷物の積み下ろしや設置作業がメインで、帰宅後はクタクタになることも多いです。
心理的なプレッシャーも
体力面だけでなく、精神的な負担も大きいようです。
お客様やご家族の期待に応えなければというプレッシャーは常にあり、さらに認知症の方への対応は難しく、説明を何度繰り返しても理解してもらえないこともあります。
また、クレーム対応も心理的負担になることが多いです。「思っていたより使いにくい」「すぐに壊れた」といった苦情に対して、冷静に対応しなければなりません。
営業ノルマの重圧
働く環境によっては、営業ノルマが大きなストレスになることもあります。「月に何件の新規契約を取らなければならない」「売上目標を達成しないとボーナスが減額される」といったプレッシャーがある職場も少なくありません。
お客様の本当のニーズと会社の売上目標の間で葛藤することもあるみたいで、本当はもっとシンプルな用具で十分なのに、高額商品を勧めるよう言われることもあるとされています。
それでも転職を考えるなら
それでも「限界…」と感じたとき、どんな選択肢があるのでしょうか。
まずは同じ福祉業界でも、体力的負担の少ない職場に移るという方法があります。営業事務や相談業務中心の職場、メーカー側の営業職などは、現場での重労働が少ない傾向にあります。
異業種への転職も一つの選択肢。福祉用具の知識や高齢者対応のスキルは、医療機器メーカーや介護関連企業でも活かせます。また、相談員として培った提案力やコミュニケーション能力は、多くの業種で評価されるスキルです。
福祉用具専門相談員におすすめの転職先

サクラサービスとは、介護保険に関わる福祉用具レンタル事業を中心に展開する会社です。「少子高齢化」「介護保険制度」を背景に、創業以来安定した成長を遂げており、毎年多くの新卒社員も入社を決めています。
項目 | 数字 |
---|---|
年間売上 | 30億円 |
社員数 | 291名 |
育休取得率 | 100% |
有給取得率 | 79% |
新卒初任給 | 月給 340,875円~ (経験によって優遇あり) |
転職を考えている方はもちろん、ジョブチェンジへの挑戦や福祉用具専門相談員などの専門資格をお持ちの方も大歓迎です!業界のなかでは給与水準も高く、毎年成長し続けております。

まとめ
福祉用具専門相談員の仕事は、確かに体力的にも精神的にも負担が大きい面があります。でも、利用者さんの生活を支える喜びも大きい仕事です。
「きつい」と感じたら無理をせず、働き方を見直したり、転職を考えたりするのも選択肢の一つ。あなたに合った働き方を見つけることが、長く福祉の仕事に関わる秘訣かもしれません。