介護福祉士として夜勤専従で働くと、年収にどのような違いが生まれるのでしょうか?
一般的な介護職と比べて夜勤専従は特有の働き方であり、収入面にも大きな影響を与えます。しかし、実態をよく知らないまま働き始めると、「思ったより年収が少ない」「生活リズムが合わない」といった悩みに直面することも少なくありません。
この記事では、夜勤専従の介護福祉士が実際にどの程度の年収を得られるのか、また収入を最大化するために意識すべきポイントを詳しく解説します。さらに、夜勤ならではのメリットや注意点、キャリアアップによる収入向上の可能性についてもわかりやすく紹介します。
このページでわかること
- 夜勤専従の介護福祉士の基本的な働き方と特徴
- 夜勤専従で働く場合の年収の実態と各種手当の影響
- 勤務地や施設形態による収入の違い
- 年収アップを目指すためのキャリアアップ戦略
- 夜勤専従で健康的に長く働くためのコツ
介護職の夜勤専従とは?

夜勤専従の介護福祉士とは、主に夜間帯に特化して勤務する介護職員のことを指します。
日勤や早番・遅番といった通常シフトには入らず、夜勤だけを担当するスタイルが特徴です。この働き方は、一般的な介護職とは異なるリズムや役割を求められるため、しっかりと基礎知識を押さえておくことが重要です。
夜勤中は、利用者の就寝時間帯を中心にケアを行うため、緊急時対応や巡回見守り、排泄介助が主な業務となります。日中のように大人数で対応できないことが多く、限られたスタッフ数で迅速かつ冷静な対応が求められるのが夜勤専従の大きな特徴です。
夜勤専従の定義とシフト例
夜勤専従の勤務スタイルは、通常のシフト制と大きく異なります。代表的なシフト時間帯と特徴を整理すると、次のようになります。
シフト | 勤務時間 | 特徴 |
---|---|---|
通常夜勤 | 17:00〜翌9:00 | 最も一般的な夜勤パターン。休憩・仮眠あり |
ロング夜勤 | 16:30〜翌10:00 | やや長時間。1回あたりの手当が多め |
ショート夜勤 | 22:00〜翌7:00 | 短時間で回数が多くなりやすい |
夜勤回数は月8回から10回が一般的ですが、ショート夜勤中心の施設では月15回以上になるケースもあります。シフトの種類や回数に応じて、生活リズムや収入に影響が出るため、勤務先を選ぶ際にはシフトパターンを事前に確認しておきましょう。
夜勤専従と日勤の違い(シフト・業務内容)

介護職の夜勤専従は、日勤とはシフトの時間帯や業務内容が大きく異なる働き方です。それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
シフトの違い
日勤は朝から夕方までの勤務(例:8:30~17:30)が一般的ですが、夜勤専従の場合は、**夕方から翌朝までの長時間勤務(例:16:30~翌9:30)が主流です。
1回の勤務時間が長いため、夜勤専従は月10回程度の出勤でもフルタイムと同じくらいの給与を得ることが可能です。
業務内容の違い
日勤と夜勤では、利用者の生活リズムに合わせて業務内容が変わります。
- 日勤の主な業務
- 朝食・昼食・夕食の介助
- 入浴・排泄・移動のサポート
- レクリエーションの実施
- リハビリや医療処置の補助
- 施設内の掃除や記録業務
- 夜勤の主な業務
- 夕食・就寝準備のサポート
- 夜間の巡回・見守り
- トイレ介助・おむつ交換
- 緊急時の対応(体調不良・急変など)
- 早朝の起床介助・朝食準備
夜勤は利用者が寝ている時間が長いため、日中ほどの業務量はありませんが、その分夜間の急変対応や少ないスタッフでの対応が求められます。
また、長時間勤務になるため、仮眠時間の有無や休憩の取り方も職場によって異なります。

夜勤専従の平均年収と手取り額

夜勤専従で働く介護福祉士の年収は、日勤中心の勤務に比べて高い傾向があります。ただし、勤務エリアや施設形態、支給される手当によって実際の年収には大きな差が出るため、単純な比較はできません。
全国平均の年収データ
夜勤専従の介護福祉士の平均年収は、以下のようにまとまっています。
職種 | 平均年収 |
---|---|
日勤中心の介護福祉士 | 約350万円~400万円 |
夜勤専従の介護福祉士 | 約400万円~500万円 |
夜勤手当の加算により、年間50万円以上の収入差が出るケースも珍しくありません。このため、収入を重視する方にとって夜勤専従は魅力的な選択肢となります。
勤務地・施設別による年収の違い
夜勤専従の年収は、勤務地や施設の種類によっても変動します。エリア別、施設別にまとめると以下の通りです。
勤務地 | 年収の傾向 |
---|---|
都市部(東京・大阪など) | 約450万円~550万円(求人が多く手当も高め) |
地方都市・郊外 | 約380万円~450万円(物価に応じた相場) |
特別養護老人ホーム(特養) | 安定収入だが業務負担は大きめ |
介護老人保健施設(老健) | 施設により手当額にばらつきあり |
有料老人ホーム | 高収入が期待できるが業務範囲も広い |
都市部や有料老人ホームでは夜勤手当が高額になる傾向があり、収入面で有利になりやすい一方、業務量や責任も増えるため、自分に合った働き方を考慮することが重要です。
夜勤手当・各種手当の影響
夜勤専従の年収アップには、基本給に加算される各種手当の存在が欠かせません。主な手当を整理すると次のようになります。
- 夜勤手当
↳1回あたり5,000円~10,000円程度が相場。月8回勤務なら毎月4万~8万円のプラスに - 資格手当
↳介護福祉士資格を持つ場合、月5,000円~15,000円の加算が一般的 - 役職手当
↳リーダー職以上に就くと、さらに月数万円の収入アップが期待できる - 特別手当(年末年始手当など)
↳繁忙期出勤で追加手当を受け取れるケースあり
こうした手当を合わせることで、月収ベースで数万円単位の上積みが可能となり、年間トータルでは大きな収入差につながります。
夜勤専従介護福祉士の手取り額の目安
年収や月収が高くても、実際に手元に残る「手取り額」は別問題です。では、夜勤専従介護福祉士の場合、どれくらいが目安となるのでしょうか。
- 年収400万円の場合
↳手取りは約310万〜320万円(社会保険料・税金などが引かれる) - 年収450万円の場合
↳手取りは約350万〜360万円(扶養の有無、控除によって前後あり) - 年収500万円の場合
↳手取りは約390万〜400万円(住宅手当・扶養控除等で差が出る)
夜勤手当や各種手当は課税対象となるため、想定よりも手取り額が少なくなることもあります。
特に健康保険料や厚生年金保険料は収入に応じて増額されるため、総支給額だけで判断せず、実際に手元に残る金額をしっかり把握しておくことが大切です。
介護職の夜勤専従はどれくらい稼げる?

介護職の夜勤専従は、夜勤手当が上乗せされるため、日勤のみの勤務よりも高収入を得やすいのが特徴です。
月収・年収の目安
夜勤専従の給与は、施設の種類や地域、雇用形態によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
- 1回の夜勤の給与相場:18,000円~30,000円
- 月10回勤務した場合の月収:18万円~30万円
- 年収の目安:250万円~450万円(賞与込み)
上記はあくまで平均的な目安ですが、夜勤手当が手厚い施設では年収500万円以上を狙えるケースもあります。また、正社員・契約社員・派遣などの雇用形態によっても給与は変わってきます。
資格手当はあるか
介護職は資格の有無によって給与が変わることが多く、夜勤専従でも資格手当がつく職場を選ぶことで収入アップが期待できます。一般的な資格手当の相場は以下の通りです。
資格 | 手当目安 |
---|---|
初任者研修 | 5,000円~10,000円/月 |
介護福祉士 | 10,000円~30,000円/月 |
ケアマネージャー | 20,000円~50,000円/月 |
- 初任者研修(旧ヘルパー2級):5,000円~10,000円/月
- 介護福祉士:10,000円~30,000円/月
- ケアマネージャー(介護支援専門員):20,000円~50,000円/月
資格があると基本給が上がるだけでなく、夜勤手当が増額されるケースもあります。そのため、無資格よりも資格を取得して働いたほうが、夜勤専従でもより高収入を狙いやすいと言えます。
介護職の夜勤専従の求人を探す方法
夜勤専従の介護職は、求人の探し方次第で収入や働きやすさが大きく変わります。
求人サイトの活用

夜勤専従の介護職の求人を探す際、求人サイトやハローワークを活用することで、より条件の良い職場を効率よく見つけることができます。
主な介護職向け求人サイト
- カイゴジョブ
- 介護求人ナビ
- きらケア介護求人
- マイナビ介護職
また、求人サイトには「施設の口コミ」や「職場の雰囲気」についての情報が掲載されていることもあるため、応募前に職場のリアルな状況を確認するのに役立ちます。

ハローワークを活用するメリット
ハローワーク(公共職業安定所)では、地域密着型の求人が多く、特に地元の介護施設の夜勤専従求人を探すのに適しています。ハローワークであれば、下記のようなメリットがあります。
- 無料で職業相談ができる(担当者が希望条件に合った求人を紹介してくれる)
- 地域密着の求人が多く、近場の職場を探しやすい
- 長年運営されている施設や、安定した職場の求人が多い
どちらか一方だけではなく、求人サイトとハローワークの両方を活用することで、より多くの選択肢から最適な職場を見つけることができます。
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---|---|
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社員数 | 291名 |
育休取得率 | 100% |
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新卒初任給 | 月給 340,875円~ (経験によって優遇あり) |
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夜勤専従の正社員と非正規社員の違い
夜勤専従という働き方には、正社員と非正規社員(パート・契約社員など)の2つの選択肢があります。
同じ「夜勤中心」の勤務であっても、雇用形態によって待遇や働き方に大きな違いが生じるため、事前にしっかり把握しておくことが大切です。
雇用形態ごとの違いまとめ
夜勤専従における正社員と非正規社員の主な違いを、わかりやすく整理しました。
項目 | 正社員 | 非正規雇用 |
---|---|---|
契約期間 | 期間の定めなし(無期雇用) | 有期契約(3ヶ月~1年ごと更新が一般的) |
給与体系 | 月給制(固定給+夜勤手当) | 時給・日給制(勤務回数に応じた支給) |
福利厚生 | 社会保険・賞与・退職金など完備 | 一部適用(勤務条件による) |
シフトの安定性 | 月ごとの固定回数、安定しやすい | 勤務日数に変動あり、希望シフト優先の傾向 |
収入の安定性 | 月収・年収が安定しやすい | 勤務回数次第で変動が大きい |
キャリアアップ | 役職登用・昇給のチャンスが豊富 | キャリアパスが限られる場合が多い |
正社員と非正規社員のメリット・デメリット比較
正社員と非正規社員それぞれのメリット・デメリットを、ひとつの表で比較しました。
雇用形態 | メリット | デメリット |
---|---|---|
正社員(夜勤専従) | 安定収入と福利厚生完備 昇給・昇格のチャンスあり 長期的なキャリア設計ができる | 施設都合による異動・勤務変更リスク 日中業務や会議に呼ばれることもある |
非正規社員(夜勤専従) | 勤務回数・日数を柔軟に調整できる 副業や自由な時間を持ちやすい 掛け持ち勤務にも向いている | 収入が不安定になりやすい 賞与・退職金が支給されないケースが多い 長期的なキャリア形成が難しい場合がある |
どちらを選ぶべきか?
夜勤専従で「安定収入とキャリアアップを目指す」なら正社員、「自由な働き方や副業を重視する」なら非正規社員という選び方が基本となります。
ライフスタイルや将来設計に合わせて、自分に合った働き方を慎重に検討することが成功への第一歩です。
まとめ
夜勤専従の介護職は、夜勤手当が加算されるため効率よく高収入を得られる働き方です。
1回の勤務時間は長いものの、月10回程度の勤務でフルタイム並みの給与を得ることが可能。給与は夜勤手当や資格、施設の種類によって差が生じるため、職場選びが重要です
また、派遣や紹介会社を利用することで、より好条件の求人に出会える可能性もあります。