社会福祉士の実習は「きつい」と感じやすいものです。朝から緊張した状態で現場に入り、初対面の職員や利用者に気を張り、帰宅後は記録や課題に追われる。これが連日続くので、しんどくなるのは自然です。
「自分だけが弱いのでは」と思いがちですが、多くの場合は能力不足ではなく、実習という環境がそもそも負荷が高い構造になっています。
この記事では、実習がきつくなる原因を、時間・課題・人間関係・感情負荷・評価不安などに分けて整理し、実習前から実習中、実習後までの具体的な対策をまとめました。
このページでわかること
- 社会福祉士の実習がきついと感じやすい原因と、よくあるつまずき
- 記録・課題を詰ませないための準備と進め方(テンプレ、逆算、メモ設計)
- 人間関係で消耗しにくい立ち回りと、指導者に確認すべきこと
社会福祉士の実習がきついのは普通?よくある原因

実習がきつくなる理由は、だいたい「負荷が重なる構造」にあります。現場は初日から本番の空気で動いていて、学生側は慣れない環境で緊張し続けます。
そこへ記録と課題が乗り、人間関係の気疲れや、利用者さんの背景に触れる感情の揺れも加わる。いくつも同時に来るので、しんどくなるのが自然です。
記録と課題が多い
実習の「きつさ」を一番感じやすいのが、記録と課題です。つらいのは文章力の問題というより、日中の情報量が多いのに、帰宅後にゼロから思い出して書こうとする構造にあります。記録は、事実の整理と振り返りが同時に求められるので、手が止まりやすいです。
| きつくなる原因 | 起きやすい状態 | 早めに効く対処 |
|---|---|---|
| 日中のメモが足りない | 帰宅後に思い出せず、文章が進まない | 時系列/気づき/疑問の3枠でメモを取る |
| 事実と解釈が混ざる | 書くほど不安になり、長文になって遅れる | 事実→自分の解釈→確認したい点の順で分けて書く |
| 締切から逆算していない | 週末にまとめ書きして寝不足になる | 毎日少しずつ進める量を先に決める |
| 完璧に書こうとする | 手が止まり、結局提出が遅れる | まず骨組みだけ書き、指導者に方向性を確認する |
記録は「きれいな文章」より「安全に振り返れる材料」が重要です。書けない日は、原因が文章力ではなく、メモと構造の不足にあることが多いので、日中の取り方から直すほうが早く改善します。

人間関係がしんどい
実習先は、学生にとってアウェーです。職員の名前も役割も分からない状態で、指導者の癖や現場の暗黙ルールにも合わせないといけません。ここが合わないと、能力とは別に消耗します。
人間関係でつらくなる原因は、よくあるパターンに分かれます。
- 指導者が忙しく、質問のタイミングがつかめない
- 指摘が多く、何を直せばいいか分からなくなる
- 雑談や空気感に入れず、孤立した気分になる
- 職員ごとに言うことが違い、判断に迷う
このタイプの対処は、仲良くなるより「確認の型」を作るほうが効きます。たとえば、質問はバラバラに投げず、メモにまとめてから「今、3点だけ確認してもいいですか」と切り出す。
指摘を受けたら反論せず、「次はどう直すのが良いですか」とその場で行動に落とす。これだけで、怒られにくさと安心感が上がります。
それでも相性が合わず、強い圧や人格否定のような扱いが続くなら、実習先だけで抱えず、学校の実習担当へ早めに共有するのが安全です。相性問題は努力だけで解決しないことがあります。
感情が揺さぶられる
実習では、利用者さんの生活史や家族関係、病気や障害、貧困や虐待など、重い背景に触れることがあります。頭では分かっていても、現場で実際に目にすると、気持ちが追いつかないことがあります。帰宅しても映像が残ったり、涙が止まらなかったり、変に無感覚になったりする人もいます。
感情の揺れは、向いていない証拠ではありません。むしろ自然な反応です。ただ、揺れを一人で抱えるとしんどさが増えます。
安全に学ぶためには、振り返りを一人で完結させず、指導者や学校の担当者に「この場面が引っかかっている」と共有し、見立てや対応の視点をもらうことが大切です。実習は上手くやる場というより、現場で何が起きるかを知り、支える仕組みを学ぶ場でもあります。

社会福祉士の実習が限界のときの対処法

実習は、きつくなる前に手を打てると完走しやすいです。逆に「まだ大丈夫」と踏ん張り続けると、ある日いきなり動けなくなることがあります。
大事なのは、限界を根性で超えることではなく、危険サインを早めに拾い、相談ルートを使って負荷を下げることです。評価より安全が優先です。
危険サイン
危険サインは「気合いで乗り切れる疲れ」とは違い、生活や身体に影響が出始めます。次のような状態が複数当てはまり、数日続くなら、早めに手を打ったほうが安全です。
| サインの種類 | よくある状態 | 放置したときに起きやすいこと |
|---|---|---|
| 睡眠 | 寝つけない、途中で何度も起きる、悪夢が続く | 集中力低下、ミス増加、情緒不安定 |
| 食欲・体調 | 食欲不振、吐き気、動悸、頭痛、腹痛が続く | 欠席の増加、回復に時間がかかる |
| 感情 | 涙が止まらない、怒りっぽい、急に無感覚になる | 二次受傷、燃え尽き、自己否定の加速 |
| 思考 | 自分を責め続ける、視野が狭くなる、判断が鈍る | 抱え込み、報告遅れ、トラブル化 |
| 行動 | 遅刻が増える、職場に行く前に涙や腹痛が出る | 欠席や中断、単位への不安が増える |
特に危ないのは、眠れない・食べられない・涙が止まらないが重なる状態です。この段階では「頑張り方」の問題ではなく、負荷が過剰です。休息、担当調整、相談を優先して良いです。

学校へ相談する
限界が近いときは、実習先だけで抱えず、学校ルートを早めに使うのが正解です。相談は遅れるほど、選べる手段が減ります。相談するときのコツは、感情の説明よりも、事実を短くまとめることです。伝える枠を決めると、話が通りやすくなります。
- 状況(いつから、何が)
↳例:実習2週目から睡眠が取れず、朝に動悸が出る - 困っている点(どこが一番危ないか)
↳例:記録が追いつかず、毎日睡眠が削られている - 試したこと(自分でやった対処)
↳例:メモを増やしたが、課題量が多く回復できない - 希望(どうしたいか)
↳例:休息を確保したいので、課題の調整や指導の相談をしたい
学校に相談すると、たとえば実習先との調整、指導者変更の相談、課題量の調整、振り返り面談の設定など、本人だけでは動かしにくい部分に手が入ることがあります。
相性問題や強い圧が疑われる場合も、本人が直接ぶつかるより、学校を介したほうが安全です。
まとめ|無理せず完走する
社会福祉士の実習がきついのは珍しいことではありません。記録と課題の量、初対面の緊張、人間関係の気疲れ、利用者さんの背景に触れる感情の揺れ、評価への不安。
これらが同時に来るので、しんどくなるのは自然です。大切なのは、完璧にやろうとするより、安全に学べる動きを優先することです。
特に効くのは、報連相と確認を早めに回すこと、日中のメモを設計して帰宅後にゼロから書かないこと、課題を締切から逆算して毎日少しずつ進めることです。
人間関係がしんどい時も、仲良くなる努力より、質問と確認の型を作ったほうが安定します。感情が揺れたときは、一人で抱え込まず、振り返りの中で言葉にして共有すると、二次受傷のリスクが下がります。
そして一番重要なのは、限界サインを見落とさないことです。眠れない、食べられない、涙が止まらないなどが続くなら、頑張り方ではなく負荷の問題です。学校への相談は遅らせるほど選べる手段が減るので、迷った時点で動くのが安全です。


