障害支援区分4に該当すると、どの程度の支援が受けられるのか——本人や家族にとって非常に気になる問題です。特に2024年4月に障害者総合支援法が改正され、グループホームの機能拡充・就労支援の新設・相談支援体制の整備など、使えるサービスと制度の中身が大きく変わりました。
この記事では、障害支援区分の基本的な仕組みから区分4の判定基準・利用できる福祉サービス・申請手順まで、2024年法改正の最新情報を踏まえてわかりやすく解説します。
【最新】2024年4月・障害者総合支援法 改正が施行されました
2022年12月に成立した改正障害者総合支援法が、2024年4月1日より施行されています。
グループホームから一人暮らしへの移行支援の明確化・新サービス「就労選択支援」の創設(2025年10月施行)・相談支援体制の整備強化など、区分4の方に直接影響する変更が多数あります。
障害支援区分とは?全体の仕組みを理解しよう

障害支援区分は、障害のある方が自立した生活を送るために必要な支援の量を客観的に示す指標です。障害者総合支援法に基づき、市区町村が認定調査を実施し、支援の必要度に応じて1〜6の6段階に分類されます。
重要なのは、この区分が「障害の種類・名称」ではなく「日常生活においてどれだけ支援が必要か」を基準に決まるという点です。
そのため、同じ診断名の方でも、生活の状況によって支援区分が異なることがあります。
区分ごとの支援の目安
| 支援区分 | 支援の目安 | 主な対象者の状態 |
|---|---|---|
| 区分1〜2 | 軽度の支援が必要 | 一部の生活動作にサポートがあれば自立可能 |
| 区分3〜4 | 中程度の支援が必要 | 複数の動作に支援が必要。生活の質に影響が出ている |
| 区分5〜6 | 重度の支援が必要 | 日常生活の多くを他者の介助に依存している |
認定の流れ
本人または代理人が市区町村の障害福祉窓口に申請書を提出します。
認定調査員が自宅を訪問し、日常生活動作(ADL)・行動障害の有無・意思疎通の程度などを聞き取ります。本人だけでなく家族や支援者の意見も反映されます。
全国共通の認定ソフトが調査結果を自動評価します。
医師・相談支援専門員などの専門家が審査会で最終判断を行います。一次判定の結果だけでなく、医師の意見書や個別の生活実態も考慮されます。
結果通知書が届き、支援区分が確定します。申請から約1〜2か月かかることが一般的です。

2024年4月施行|障害者総合支援法の改正の6つのポイント
2022年12月に成立し2024年4月に施行された改正は、「一人ひとりの障害者が希望する生活を実現できるようにすること」を目的とした大きな制度変更です。
区分4の方にも直接影響する内容が多く含まれています。
グループホームの機能拡充
2024年4月〜
グループホームから一人暮らしを希望する方への移行支援が法律上明確化されました。
家事支援・買い物同行・金銭管理支援を実施し、退居後も一定期間の相談支援を継続することが義務づけられています。
就労選択支援の創設
2025年10月〜
障害者本人の希望・就労能力・適性等に合わせた選択を支援する新サービス「就労選択支援」が2025年10月1日より施行されます。
就労アセスメントを活用し、本人に合った働き方を一緒に考える仕組みです。
相談支援体制の強化
2024年4月〜
基幹相談支援センターの設置・地域生活支援拠点の整備が市町村の努力義務となりました。
「どこに相談すればよいかわからない」という状況の解消を目指します。
精神保健支援の対象拡大
2024年4月〜
精神障害者だけでなく「精神保健に課題を抱える人」も相談支援の対象となりました。
精神保健福祉士の業務に精神保健に関する相談援助が追加されています。
難病患者への医療支援強化
2024年4月〜
難病等の対象疾病が拡大(2025年4月時点で376疾病)。
医療費助成の開始時期が「重症度分類を満たしていることを診断した日」に変更されました。
短時間就労者の雇用率算定
2024年4月〜
週10時間以上20時間未満の精神障害者・重度身体障害者・重度知的障害者が企業の障害者雇用率に0.5人カウントされるようになり、短時間就労の機会が拡大しました。
障害支援区分4とは?どのような状態が該当するのか

障害支援区分4とは?判定基準と生活の目安
支援区分4は、障害支援区分の中でも中度〜重度寄りに分類されるレベルです。
複数の生活動作にわたって継続的な支援が必要とされる状態を指し、身体機能の低下だけでなく、認知機能や精神的な安定性の面で困難を抱えているケースも含まれます。
区分4の判定に使われる主な評価項目
| 評価分野 | 具体的な評価項目 | 区分4の目安 |
|---|---|---|
| 身体介護 | 移動・入浴・排せつ・食事・着替えなど | 複数の動作で毎回介助が必要 |
| 行動関連 | 自傷行為・多動・パニックへの対応など | 一定頻度で支援が必要な行動がある |
| 意思疎通 | コミュニケーション・意思伝達 | 適切なコミュニケーションが困難な場面がある |
| 社会生活 | 金銭管理・服薬管理・外出時の安全確保など | 支援や監督がないと管理が難しい |
| 医療的ケア | 投薬・褥瘡処置・経管栄養など | 医療的ケアが複数あるケースも |
評価項目は全80項目(身体介護・行動関連・意思疎通の3分野)あり、コンピュータによる一次判定と審査会による二次判定の両方で総合的に判断されます。
区分4に該当しやすい具体的な状況例
- 毎日の入浴で転倒の危険があり、必ず介助者が必要な状態
- 食事の際に食器の操作や嚥下(飲み込み)に支援が必要
- 会話が一方的になりがちで、対人関係のコントロールに支援が必要
- 金銭管理ができずトラブルを起こしやすく、日常的な監督が必要
- 突発的な行動変化(パニック・自傷など)が週に数回見られる
- 服薬管理が自己管理では難しく、毎回確認・声がけが必要
調査のポイント|「できる・できない」より「実際の生活の様子」を伝える
認定調査では「できますか?」という質問に「できます」と答えてしまい、実際の困りごとが伝わらないケースがあります。本人の発言だけでなく、家族や支援者が日常の様子を具体的に伝えることが正確な区分判定につながります。

障害支援区分4で利用できる主な福祉サービス
介護給付サービス(区分が条件となる主なもの)
| サービス名 | 概要 | 最低必要区分 |
|---|---|---|
| 居宅介護(ホームヘルプ) | 自宅での入浴・排せつ・食事などの身体介護、家事援助、通院等の介護 | 区分1以上 |
| 重度訪問介護 | 重度障害者への長時間の一体的な介護支援。外出時の支援も含む。区分4〜 | 区分4以上 |
| 同行援護 | 視覚障害のある方の外出時に同行し、情報提供や移動の援護を行う | 区分なし |
| 行動援護 | 知的・精神障害で行動上著しい困難がある方への行動前後の支援 | 区分3以上 |
| 生活介護 | 日中の活動支援(入浴・食事・創作・作業等)。 施設入所の場合は区分4以上が原則施設入所は区分4〜 | 区分3以上(通所) 区分4以上(入所) |
| 短期入所(ショートステイ) | 介護者の休息・急病などで短期間施設に泊まり、日常生活の支援を受ける | 区分1以上 |
| 施設入所支援 | 夜間の支援が必要な方が施設に入所して生活支援を受けるサービス区分4〜 | 区分4以上が原則 |
| 療養介護 | 医療と常時介護が両方必要な方を対象とした病院での支援 | 区分6(ALS等は区分5) |
地域生活支援事業(市町村独自)
| サービス名 | 内容 |
|---|---|
| 移動支援 | 通院・買い物・余暇活動などの外出を支援。市町村が実施主体。 |
| 日中一時支援 | 日中の一時的な預かりや活動支援。介護者の休息にも活用可能。 |
| コミュニケーション支援 | 手話通訳・要約筆記などのコミュニケーション支援。 |
| 福祉タクシー・移動費の助成 | 障害のある方の交通費や外出を支援する給付。自治体により内容が異なる。 |
複数のサービスを「組み合わせて」使うことが大切
区分4の方が最適な生活を送るためには、居宅介護・通所サービス・短期入所・グループホームなどを組み合わせた「個別支援計画」が重要です。
相談支援専門員と一緒にサービス等利用計画を作成することで、ニーズに合った支援の組み合わせを見つけることができます。

訓練等給付サービス(区分なし・または緩やかな条件)
グループホーム
地域の住居で共同生活を送りながら相談援助・日常生活支援を受ける。2024年改正で一人暮らしへの移行支援機能が強化。
就労移行支援
一般企業への就職を目指す訓練や職場実習を行う。原則2年間の利用。区分の有無に関わらず利用可能。
グループホーム
地域の住居で共同生活を送りながら相談援助・日常生活支援を受ける。2024年改正で一人暮らしへの移行支援機能が強化。
就労継続支援B型
雇用関係なしで軽作業等の就労機会を提供。一般就労が難しい方向け。工賃は平均月額1〜2万円程度。
就労選択支援
就労能力・適性を客観的に評価し、本人に合った就労先・働き方の選択を支援する新サービス。就労アセスメントを活用。
自立生活援助
一人暮らし等を希望する方に定期的な居宅訪問や随時の相談支援を行う。
障害支援区分の申請と見直しの方法

支援区分は一度認定されれば終わりではなく、生活状況の変化に応じて申請や見直しが必要です。
自分の状態に合った支援を受けるためには、制度の手順を理解し、適切なタイミングで手続きを行うことが大切です。
区分の見直し・変更申請
一度認定された支援区分は有効期間(通常3年)が設けられています。しかし、心身の状態が変化した場合は有効期間内でも変更申請(区分の再審査)を行うことができます。状態が重くなったと感じた場合は、タイミングを逃さず申請しましょう。
状態が変化したら早めに相談を
「以前より介護が必要になった」「新たな疾患が加わった」「入院後に状態が変化した」など、生活状況に変化がある場合は相談支援専門員や市区町村窓口に相談してください。状況によっては区分が上がり、使えるサービスが広がることがあります。
相談できる窓口
| 相談先 | 主な対応内容 |
|---|---|
| 市区町村 障害福祉課 | 申請受付・調査の実施・サービス支給決定 |
| 相談支援専門員 (相談支援事業所) | 申請書の記入補助・サービス等利用計画の作成・手続き全般の助言 |
| 基幹相談支援センター2024年〜強化 | 地域の相談支援の中核。「どこに相談すればよいか迷ったとき」の入口。2024年改正で設置が努力義務化。 |
| 地域生活支援拠点 | 緊急時の対応・施設から地域への移行支援。2024年改正で整備が努力義務化。 |
| ハローワーク (就労を検討する場合) | 障害者専用の就労相談窓口。就労選択支援と連携して職業指導を実施。 |
障害支援区分4に関してよくある質問(FAQ)
区分4と区分5・6は何が違うのですか?
区分5・6は、日常生活のほぼすべてにおいて他者の介助が必要な重度の状態です。
区分4は「複数の動作に支援が必要だが全介助まではいかない」状態を指します。ただし、重度訪問介護や施設入所支援などは区分4以上を要件とするサービスもあるため、区分4でも幅広いサービスを利用できます。
精神障害や発達障害でも区分4になることはありますか?
なります。障害支援区分は身体障害に限らず、知的障害・精神障害・発達障害・難病の方も対象です。
行動関連や意思疎通の評価項目が設けられており、精神・知的障害の特性も適切に反映されます。2014年の制度改正でこの点が大きく改善されました。
区分4の認定後、サービスを使うためにさらに手続きが必要ですか?
はい、区分の認定はサービス利用の「前提条件」であり、認定後に各サービスの支給申請・サービス等利用計画の作成・事業所との契約が必要です。
相談支援専門員がこれらの手続きをサポートしてくれます。まず相談支援事業所に連絡することをお勧めします。
2024年の法改正で、区分4の方が新たに使えるようになったサービスはありますか?
2025年10月から「就労選択支援」が利用できるようになりました。
また、グループホームの退居後サポートが制度上明確化され、一人暮らしを希望する場合の選択肢が広がっています。基幹相談支援センターへの相談もしやすくなっています。
まとめ|障害支援区分4を理解して最適な支援を受けよう
障害支援区分4は、複数の生活動作で継続的な支援が必要な状態に対応する区分です。重度訪問介護・生活介護(施設入所)・施設入所支援など、区分4から利用可能になる重要なサービスがあります。
2024年4月の障害者総合支援法改正により、グループホームから一人暮らしへの移行支援の明確化、基幹相談支援センターの整備強化、2025年10月施行の「就労選択支援」の創設など、使えるサービスと支援の幅が確実に広がっています。
状態に変化があった場合は有効期間内でも区分の変更申請が可能です。「もっと支援が必要かもしれない」と感じたら、まず相談支援専門員や基幹相談支援センターに相談することをお勧めします。
制度は複雑ですが、相談機関をうまく活用することで、本人と家族にとって最適な支援につながることができます。


