「介護の仕事、資格がないと始められないのかな…」
私が介護業界に飛び込んだ8年前、まさにこんな不安を抱えていました
そこで本記事では、私自身の経験や同僚たちの声を交えながら、介護資格の種類や特徴を整理しました。「どの資格から始めればいいの?」「資格を取るとどう変わるの?」そんな疑問にお答えします。
介護資格の種類一覧と特徴

介護の資格にはさまざまな種類があり、それぞれ取得の難易度や活かせる仕事が異なります。
資格を持つことでできる業務の幅が広がるだけでなく、給与アップや転職の選択肢も増えるため、自分の目標に合わせた資格を選ぶことが大切です。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
介護の基礎を学ぶための最も代表的な資格です。修了すると、訪問介護や施設介護での基本的な介助ができるようになります。取得までに必要な時間は約130時間で、働きながら通学して取得することも可能です。
試験はなく、研修を修了すれば資格が得られるため、未経験者でも比較的取得しやすい資格といえます。
介護助手(無資格でも可能)
「介護助手」は資格が不要な仕事ですが、介護の現場を知るための入門的な役割を担います。
食事の配膳やシーツ交換、清掃など、直接的な介護行為以外の業務を担当するため、まずは現場の雰囲気を知りたい人に向いています。
認知症サポーター養成講座
認知症に関する正しい知識を学び、地域や職場で認知症の人やその家族を支援するための講座です。
受講時間は90分程度で、修了すると「認知症サポーター」として活動できます。介護職を目指す前に、まずは認知症について学びたいという方におすすめです。
介護福祉士実務者研修
「介護職員初任者研修」の上位資格にあたり、より実践的な介護技術や知識を学べます。
特に、たん吸引や経管栄養などの「医療的ケア」に関するカリキュラムが含まれており、より専門的なケアができるようになります。修了すると、国家資格である「介護福祉士」の受験資格を得ることができます。研修時間は450時間と長めですが、働きながらでも取得可能です。
実務経験3年以上で受験できる「介護福祉士」
介護福祉士は、介護業界で唯一の国家資格です。
実務経験3年以上+「介護福祉士実務者研修」の修了が受験資格となるため、現場経験を積みながらステップアップを目指すことができます。介護福祉士を取得すると、より専門的な知識を活かした業務が可能になり、現場でのリーダー的な役割を担うことも増えます。
福祉用具専門相談員
介護に必要な福祉用具(車いす、介護ベッド、手すりなど)の選定や使用方法についてアドバイスする専門資格です。
介護施設や福祉用具のレンタル会社などで活躍できます。介護現場での経験を活かしながら、福祉用具の分野に特化した仕事に興味がある方に向いています。

喀痰(かくたん)吸引等研修
医療的ケアの一環として、たんの吸引や経管栄養を行うための資格です。
これまでは看護師のみが対応できる業務でしたが、研修を修了すれば一定の条件下で介護職員も実施できるようになります。より専門的なケアを行いたい方におすすめです。
ケアマネージャー(介護支援専門員)
ケアマネージャーは、介護を必要とする人のケアプラン(介護サービスの利用計画)を作成し、介護サービス事業者と利用者をつなぐ役割を担います。介護保険制度の知識が求められるため、介護職員としての実務経験が必要になります。
試験に合格し、研修を修了すると資格が取得できます。ケアマネージャーは現場での介護業務から離れ、デスクワーク中心の仕事にシフトすることができるため、体力的な負担を減らしたい方にもおすすめです。
社会福祉士・精神保健福祉士
社会福祉士は、福祉全般に関する相談支援を行う専門職です。介護の現場だけでなく、行政機関や病院、福祉施設などで活躍できます。福祉サービスの利用者やその家族の相談に乗り、適切な支援を行うことが主な業務です。
精神保健福祉士は、精神疾患を持つ人の社会復帰をサポートする専門資格です。高齢者の介護に加えて、精神疾患や認知症に特化した支援ができるようになります。
介護福祉経営士
将来的に介護施設の経営や独立を考えている場合、経営に関する知識を学ぶ資格の取得が役立ちます。
「介護福祉経営士」などの資格を取得すると、介護事業の運営やマネジメントのスキルを身につけることができます。特に、介護業界で管理職を目指す人や、将来的に起業したい人におすすめです。
【レベル別】介護関連の資格まとめ
資格の種類が多いと迷ってしまいますよね。私の経験から、レベル別に整理してみました。
レベル | 資格名 | 内容・特徴 |
---|---|---|
初級 | 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級) | 私の第一歩となった資格。週末だけの通学でも3ヶ月で取得できました。基本的な介助技術が学べ、どんな介護現場でも必須の知識が身につきます。費用は6~10万円程度で、資格手当がつく施設も多いです。 |
介護助手(無資格でも可能) | 資格ではありませんが、介護の入口として最適。先日採用した60代の男性は「第二の人生のスタート」と意気込んでいます。基本的な業務を通じて、自分に合う仕事かどうかを見極められます。 | |
認知症サポーター養成講座 | 90分という短時間で受講でき、認知症の基礎知識が学べます。先日の講座では小学生から高齢者まで幅広い年代が参加していて、地域全体で認知症を支える意識が広がっていると感じました。 | |
中級 | 介護福祉士実務者研修 | 初任者研修からのステップアップに最適。私は通信講座を選び、仕事の合間に勉強しました。たん吸引や経管栄養など、医療的な知識も身につき、給与アップにもつながります。費用は10~15万円程度。 |
福祉用具専門相談員 | 車いすや介護ベッドなど、福祉用具に特化した資格。友人の小林さんは「利用者さんの身体状況に合わせた用具選びが楽しい」と話しています。介護用品店やレンタル会社で活躍できる専門職です。 | |
喀痰(かくたん)吸引等研修 | 医療的ケアができるようになる実践的な研修。同僚は「最初は怖かったけど、経験を積むことで自信になった」と言っています。特に特養や有料老人ホームでは、この資格があると重宝されます。 | |
上級 | 介護福祉士 | 介護のスペシャリストとしての国家資格。私は試験勉強に9ヶ月かけましたが、合格した時の喜びは忘れられません。施設では「介護福祉士手当」がつくところが多く、キャリアアップの必須資格です。 |
ケアマネージャー(介護支援専門員) | 介護計画を作成する専門職。私の友人は「利用者さんの生活全体を支える仕事にやりがいを感じる」と話しています。試験は難関ですが、デスクワーク中心の業務に移行したい方におすすめです。 | |
社会福祉士 | 福祉のソーシャルワーカーとしての国家資格。施設の相談員や地域包括支援センターなど、活躍の場は広がります。養成学校や通信課程で専門的に学ぶ必要があり、取得には時間とコストがかかります。 | |
精神保健福祉士 | 精神疾患を持つ方の支援に特化した国家資格。認知症ケアにも強みを発揮します。先輩の田村さんは「利用者さんの言動の背景が理解できるようになった」と語っていました。 | |
介護福祉経営士 | 介護施設の運営や経営を学ぶ資格。私の恩師は「現場経験があるからこそ、利用者とスタッフの両方に配慮した経営ができる」と話していました。将来独立や管理職を目指す方に最適です。 |